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オーストラリア ゴールドコーストの日本人公認会計士事務所
ブリース洋子 公認会計士事務所 アップデート 2012年11月号

オーストラリア国税局(ATO)小規模事業の基準

注釈:最近、ATOは、100種類以上の業界の基準値を認定しました。今後も、より多くの業界の基準値が設定されるということです。

各業界の基準値が、ATOにより設定されてきましたた。 その目的は、それぞれの業界の大中小事業の「あるべき」数値、例えば収入に対する経費の比率など、の範囲を示すためです。

こうした業界の基準値を設定することにより、現金商売をしている事業で、現金売上を「ごまかし」たり、現金で給与を支払っていたり、二重帳簿をつけていたり、売上や仕入れを正しく記録していないようなケースを見つけていくことをATOは目指しています。

最近発行された文書「記帳と現金による取引 - ’Record keeping and cash transactions’」によると、とにかく記帳をきちんとしていくことが重要だと、ATOは指摘しています。

もしも、事業が、ATOに報告している収入と経費を裏付けることができる記録がなく、しかもそれらの記録が業界基準値に満たない場合には、ATOは業界基準に一致するように、税申告書を訂正するということです。

実際には、業界基準はどのように機能するのか?

ピザのテイクアウエイのお店を例に挙げます。ATOが設定した業界基準値によると、ピザ店の平均売上は、年間で$150,000から$600,000、売上原価率は40%だとされています。

ということは、もしもピザ店の売上が$200,000である場合、売上原価が$120,000(60%)だとしたら、ATOは、基準値内の数字ではないということで、事業主に連絡する可能性があります。

もしも、基準値内でない訳を証明できる資料を、事業主が提出できない場合には、ATOは、一度報告された数字を、基準値に合うように調整する可能性があります。(例:売上を$300,000増やすことにより、売上原価$120,000が、売上の40%になるように調整するなど)。

注釈:基準値確立は、基準値内で事業を行っているのか、または基準値内でないとしたら、その理由を証明する記録があるのかを判断する材料となります。もしも、皆様の事業の数字が、その業界の基準内に位置するのかどうかの確認、または記帳方法などについての質問がある場合には、当事務所までご連絡ください。

契約社員への支払いに関するデータ:

ATOの新照合プログラム

ATOは、2010年から2013年度の間に、約75,000人の契約社員への支払いについて、情報を収集してきています。

収集された情報は、ATOのデータと照合され、税法に基づいた申告や報告がされていない支払いを確認していくとのことです。その結果、ATOは以下のプログラムを実行していくとしています。

u   正しく納税していないと見られる契約社員の素行を確認する

u   自発的に申告・報告を奨励するために、契約社員たちに対して的確な教育をするような戦略を確立していく。

注釈:ATOのホームページには、従業員か契約社員かを決定するのに参考となる、「従業員か契約社員かの判断機能 ‘decision tool’」というページが掲載されています。

搭乗しない旅客へ発行された航空券にも消費税はかかる?

注釈:以下は、何らかの商品やサービスを供給するために集金したが、実際には商品やサービスを供給しないことがある事業にとっては、重要なケースです。返金をしない限り、消費税の対象になる可能性があるということになります。

カンタス航空に対して、最高裁判所は、「一度受け取った航空運賃を払い戻さない(または払い戻されるが受取人が申請しない)場合に、航空運賃に含まれる消費税を、納税するべきだ」と、判決を下しました。「対価に対する供給はされた」として、乗客が購入した航空券の便を利用しなくても、カンタス航空は、消費税を納める義務があるという判決内容です。

これに対し、カンタス航空は、利用されなかった便の航空運賃に含まれる消費税を納税する義務はないと反論しました。

しかし、利用便予約に関する契約書を再度確認したところ、カンタス航空は、飛行機を運航するにあたり、「乗客と荷物を運送するために最善の努力を尽くす」

という約束を、少なくとも「供給」していると結論付けました。従って、これは「課税対象となる供給」が乗客により受け取られたため、カンタス航空は、消費税を納税する義務があるということです。

スーパーファンドへの積立上限:

個人で75歳以上の場合

2012年7月1日より、経費として申告できる(所得をその分減らすことができるので節税になる)年金の積立の上限は、一様に$25,000となりました。(年齢に関係なくなりました)

しかし、ATOは、以下の忠告をしています。

     年金基金(スーパーファンド)は、これまで通り、75歳以上の従業員に関しては、雇用主からの法定積立のみを受け付ける。

       雇用主からの法定積立が75歳以上の従業員のためにされた場合、$25,000上限ルールが適用される。

       雇用主からの法定積立以外の積立は、75歳以上の場合は適用されない。

注釈:雇用主からの法定積立とは、雇用主にYよる従業員のための最低限法定積立(今現在70歳以上の従業員の場合には、積立の義務はないが、201371日より、年齢に関係なく積み立てる義務がある)、また、労働法による積立のことです。

車両を従業員に支給する場合にはご注意!

本会計年度において、ATOは、2011および2012 FBT(付加給付税)年度内に車を購入した雇用主が、FBTの義務を怠っていないかどうか、確認するキャンペーンを開始するとのことです。

注釈:FBTとは、社用車両を従業員に支給することにより発生する付加給付税のことで、その会計年度は。41日から翌年の331日までです。

必要な情報は、車両登録団体から得られ、社用車を購入したが、FBTに登録していない雇用主の身元を確認します。

その結果、ATOはおよそ5,000雇用主に手紙を送り、FBTとは何か、そのルールに従うためには何をした

ら良いのかを説明していきます。

ATOがとくに注目するのは以下の点です。

・ 車両が自宅のガレージに停めてある場合には、私用車であると見なします。

・  一般的に、通勤に使用している車両は、私用車と見なします。

・ 従業員が私用で社用車を使用する場合には、限られた場合においてのみFBTは免除されます。

ディレクターの義務

注釈:近頃、会社のディレクターとしての義務に関する改正がありました。ATOは、この改正により、ある一定の会社の義務を怠った場合、ディレクターの個人的責任になる場合があるので、注意をするようにと呼びかけています。

2012年6月29日、会社が不正な活動を行ったり、従業員が受けるべき権利や支払いから、会社が逃れることを阻止するために、税法に改正がされました。

その改正内容を以下にまとめました。

・  スーパーへの法定最低積立がされない場合、ディレクター個人に罰金が課せられることとなりました。

・  従業員への給料からの源泉徴収や、スーパーへの法定最低積立がされていない場合、または期日までに申告されていない場合には、ディレクターは、それらの義務を、会社を行政または破産管理者の管理下におくことにより、罰金から免除されるのを防ぐ。

・ 会社がATOに対して納税する義務のある源泉徴収税の納税を怠った場合には、場合によっては、ディレクターおよびその家族などの関係者に対して「源泉徴収不履行税」を課すこともある。それにより、ディレクター自身または関係者に支払われた給与からの源泉徴収額を減らし、その分、(ディレクターや家族などの関係者の)納税額が多くなるという仕組みを適用。

※内容について、ご質問がある場合には、当所にお問い合わせください。
※本書の内容は、一般的です。個々の状況を判断・決定する場合には、必ず専門家にご相談ください。

ブリース洋子公認会計士事務所 では、『会社設立』のお手伝いもしております。
まずは気軽にお問い合わせください。

E-mail: yoko@ybabs.com.au
Web: www.ybabs.com.au

ブリース洋子 公認会計士事務所 アップデート 2012年10月号

オーストラリア国税局、タックス・ファイル・ナンバー(TFN)通知義務を強化

オーストラリア国税局(ATO)は、2011年度トラスト税申告書を検分し、トラストの受益人で配分を受け取ったが、TFNをATOに知らせていないケースを調査していくと、近頃発表しました。

注釈:ATOは、監査キャンペーンを強化し、受益人のTFNが通知されていない場合には、源泉徴収税を課税していくようです。

これまでの背景からして、一般に、受益人が、TFNを通知していない場合、Trustee (信託人)は、分配金から46.5%の源泉徴収をすることを義務付けられています。TFNが通知されていない場合には、罰金が課せられることもあります。

信託人は、トラストからの利益を受益人に分配する場合には、その前に、受益人のTFNをATOに通知することが重要となります。


コンプライアンス活動

ATOは、以下の点を基準に、監査の対象となる信託者を選びます。

・ 配分する利益の規模

・ 受益人が、受け取った配分を、収入として税申告したか?

監査対象となった信託者には、以下の内容の手紙が送付されます。

・ 手紙の内容説明

・ ATOが把握している事実説明

・ ATOが把握している事実に相違がないかを、信託者に確認依頼

・ 今後、過ちをどのように改善していくのかを説明し、結果、罰金/放免が課せられる可能性があることを説明


超過積立金:納税者が勝利したケース

注釈:以下のケースは、スーパーファンドに超過積み立てしたとされ、追加調整査定書を受け取った納税者が、自分の場合は、「特例」だったとして、考慮を要求した結果、その申し立てが認められたものです。


ケースについて

2010年度に、納税者の雇用主は、納税者のスーパーファンドに$71,551積み立てをしました。これは、上限額である$50,000を$21,551超過したことになります。

雇用主は、ふたつのファンドに対して積み立てをしました。それぞれの積立額は、AMPに$25,367、 Tasplanに$46,184です。

納税者は、2009年会計年度内に、AMPの4.5%のコミッションに不満を持っていたため、雇用主2009年7月1日より、AMPへの積み立てを止め、Tasplanへ全ての積み立てをするように依頼しました。

納税者に知らさることなく、雇用主は、2009年7月(2010年度)に、2009年度分として、$25,367をAMPに.積み立ててしまったのです。

その結果、納税者は、$21,551文、積立額を超えたとして、$6,788.70の納税が課せられてしまいました。.

納税者は、本件は特例であり、超過積立としての扱われるべきではなく、または、2009年度分として扱うべきであり、超過積立への課税は免除されるべきだと申し立てました。


行政裁判所(AAT)の判定

全ての積立は、2009年7月1日から、Tasplanに積み立てるはずであったため、2009年7月に、AMPに積み立てられたということを、納税者が知らなかったということは、十分に理解できると、AATは、述べています。

AATによると、これらの事実は、「特例」として扱うに値するケースだとしました。 AAT は、2009年7月にAMPに積み立てられた$25,367(本来ならば、2010年度分として扱うべき積立)を、2009年度分として扱うように指示しました。 結果、納税者に、税金が課せられることはなくなりました。


事業が「事業」となる条件とは?

注釈:近頃、事業を行っているのかどうかという点が争点になりました。 数々のAATのケースの中で、特に注目を引くケースがありました。

そのケースの中で、納税者は、自身が第一次産業(農業、林業、漁業など)を行っていることを証明することができませんでした。


ケースについて

納税者は、クィーンズランド州に500エーカーの土地を所有していました。 納税者は、2004年から2009年にかけて、第一次産業を経営しているとして、土地開発費お

よび、その他の経費をタックスリターンの中で申告していました。

納税者は、この間、争点となっている、14種類もの第一次産業とした活動を行っていました。それらは、豚の放し飼い、木材栽培、牛の飼育と、欄栽培などです。

不運なことに、これらの活動からは、納税者は、全く収入を得ていませんでした。 また、事業を開始する計画の段階でしかありませんでした。.

このケースにおいては、納税者が事業に対して純粋に関心があったこと、そして、事業活動を行っていたと信じている点は、疑いの余地もありません。それは、あらゆる事業計画の作成や、さまざまな事業に対する研究により、裏付けられています。

このケースで、ATOが問題にしているのは、納税者の活動は、実際に「事業」としての段階に達していなかったこと、事業を行う準備段階に過ぎなかった点でした。


AAT の判定

AATは、ATOの結論である「納税者の活動は、実際に事業を行っていたとは言えないと」という点を確認しました。そして、納税者の事業に対する純粋な関心と事業活動をしたいという気持ちは理解できるものの、実際には事業活動の滞伏期間であったと結論付けました。


詐欺にご注意!

ATOは、納税者に対し、偽の求人広告、メールおよび偽の電話連絡などに注意をするよう、再び注意を呼びかけています。

今年度になって、ATOの名前を語った偽のメールについて6000件、電話連絡については、4000件の報告を受けています。

納税者のTFNを尋ねることができるのは、以下のような、限られた人々または機関となります。

・ ATO「オーストラリア国税局」;

・ ATOの従業員(ただし、ATOに勤務するようになってからのみ)

・  納税者の銀行または、その他の金融機関

・  センターリンク

・  納税者のスーパーアニュエーション基金

注釈:重要な点は、ATOからだと語るメールについては、リンクなどを開けないことです。電話や、ポータルなどで、まず確認しましょう。


二人以上の雇用主から給与を受け取る場合

ATOは、「ふたりの雇用主からお給料を受ける場合(When you have income from two payers)」という見出しの情報を更新しました。これにより、納税者は、二人以上の雇用主から給与を受ける場合、非課税額を両方から申請できるということを知らせています。

これは、2012年7月1日より、個人の非課税額が、$6,000 から $18,200 になることを受けての更新です。 しかしながら、 二人以上の雇用主から非課税額を申請できるのは、その納税者の所得が、$18,200を越えないということが確実である場合のみです。


GIC & SIC 新レート- 2010年12月四半期

2012年12月四半期のGIC (ATOの一般的な利率)と SIC (不足分に対する利率)が、以下に発表されました

GIC レート                                                   10.62%

GIC 日割りレート                                  0.02901639%

SIC レート                                                     6.62%

SIC 日割りレート                                  0.01808743%

また、納税者が過分に納税してしまった場合、早期に納税した場合、ATOからの還付が遅れた場合に適用されるレートは、3.62%.です。

※内容について、ご質問がある場合には、当所にお問い合わせください。
※本書の内容は、一般的です。個々の状況を判断・決定する場合には、必ず専門家にご相談ください。

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