Language : English Japanese
オーストラリア ゴールドコーストの日本人公認会計士事務所
【メルマガ2月号】

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今月のトピックは、

  • 未払いスーパーアニュエーション やっと恩赦に
  • 贅沢品とカテゴリーされる資産
  • MyGov ID導入と問題点

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未払いスーパーアニュエーション やっと恩赦に

オーストラリアでは、雇用主が、従業員の給与の最低9.5%を、年金(スーパーアニュエーション、以降「スーパー」)として、従業員指定の年金ファンドに対して、定期的に支払う義務があります。

通常、スーパーを期限までに支払わない場合、雇用主は、オーストラリア国税局(ATO)に対して、Superannuation Guarantee Charge Statement (SGC Statement)を記入し、未払いスーパーの詳細を報告し、罰金、利息、手数料とともに未払い分をATOに支払わなければなりません。この場合、支払ったスーパーを事業上の経費とすることができません。

以前、一定期間内に、自発的に未払いのスーパーを報告して支払うのであれば、「罰金と手数料を免除し、支払ったスーパーを経費とする」という恩赦についての法案がありました。政治的な理由で、なかなか可決されないまま2年が過ぎましたが、やっと、可決の運びとなりました(議会を通過した法案が発効されるのに必要なRoyal Assentと呼ばれる、英国女王の裁可が必要ですが)。

法案可決により、1992年7月1日から2018年3月18日までの期間の未払いスーパーが、対象となります。恩赦期間内に、過去の未払いのスーパーを報告し支払う雇用主は、以下の恩恵を受けることができます。なお、恩赦期間は、2018年5月24日からRoyal Assentが許可される日から6か月となります。

  • 恩赦期間内に、支払う未払いスーパーが、事業の経費として認められる
  • 通常、未払いスーパーを支払う場合に課せられる手数料(従業員ひとりあたり、3カ月ごとに$20)が免除される
  • 本来、ATOに対して、SGC Statementを提出しなければなりませんが、これが提出されていないとしても、そこにかかる罰金が免除されます。罰金の額は、未払いスーパーに対して、最高200%だとされています(2倍です!)
  • 期日までに支払われないスーパーは、通常、ATOを通して支払わなければなりませんが、この恩赦期間であれば、直接ファンドに支払ってもよいとされています。

尚、もしも以前にATOに対して、SGC Statementにて未払いを報告しているスーパーや、ATOからの監査の対象になっている未払いのスーパーについては、恩赦の対象となりません。

 

贅沢品とカテゴリーされる資産

ATOは、30の保険会社に、加入者の贅沢品とカテゴリーされる資産についての情報提示を要求しました。

これにより、2015/16年度から2019/20年度にかけての税申告が見直され、約350,000人もの納税者に影響がでると予想されています。

ATOが調査の対象とするのは、下記の場合です。

  • 保険会社に報告されている資産の種類と、申告された所得とが不釣り合いだと感じた場合(ATOが挙げる例として、所得が$70,000ほどであるのに、保険会社の記録によると、300万ドルもするクルーザーを所持しているなど)
  • 資産を所有するのが会社であるにも関わらず、個人が使用していると思われる場合
  • Self Managed Superannuation Fund(少人数のメンバーで成るDYIのスーパーファンドでSMSFと略される)が、Sole Purpose Testの条件(ファンドは、メンバーのリタイアメント後のベネフィットを提供するという、唯一の目的を果たしていなければいけない)を満たしていない場合。例えば、SMSFの資産を、家族のホームローンに充てる、事業につぎ込むなどは、この条件を満たしません。

 

MyGov ID導入と問題点

オーストラリアは、政府システムのデジタル化がかなり進んでいると言ってよいかと思います。MyGovというシステムが2013年から導入され、それぞれ個人のIDにより、システムにアクセス、個人情報を得、政府機関の情報アクセスができるようになりました。ただし、ATOについては、まだ体制が整っていなかったため、Auskeyという違った方法で、事業主や、会計事務所は、個人情報にアクセスしてきました。Auskeyは、ひとつのディバイスに特化したものなので、コンピュータや、タブレット、スマートフォーンなどが変わると、アクセスできないというのが、玉に瑕でした。このため、普段は、デスクトップのコンピュータで作業をして、ATOのオンラインシステムにアクセスできても、出張先でタブレットでアクセスすることはできませんでした。しかし、これが、MyGovIDを使えば、いつでもどこでもどのディバイスでも、インターネットの環境にあれば、アクセスが可能です。

AuskeyからMygovIDに切り替わるのは、3月30日の12:00PMです。この日時以降は、Auskeyにはアクセスできなくなりますので、まだ切り替え作業を行っていない事業主の皆さんは、準備が必要です。

便利になりそうですが、まだまだ課題を解決する作業が進められています。

例えば、結婚により、旧姓を新姓とハイフン(-)でつなぐという場合、これを認識するファンクションがまだ整っていないので、これを3月13日までには、修正するということです。

また、MyGovIDを得るための身分証明書が限られてものであるために、すべての人が簡単に認証してもらえているわけではないようです。このため、今後は、身分を証明する手立てとして、ビザや、市民権証明書なども認証材料に加えていくとしています。

また、セキュリティの問題を懸念する声もあります。誰がいつアクセスしたのかを監査するシステムの導入が6月には導入されるようです。これにより、私ども会計事務所では、その履歴を見ることが可能になります。

それにしても、オーストラリアは、やるときには、本当にやりますね!

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