中小規模事業への監査
オーストラリア国税局(ATO)は、中小規模の事業(Small to Medium Enterprises を略して「SME」と呼びます)に対しての監査を強化すると忠告しています。
最初の12ヶ月は、ATO内でも限られたオフィスおよびチームのみが監査の業務にあたりますが、その後は、ごく通常の業務として中小事業の監査が行われるようになります。
監査は、2012/2013年度の第一(2012年7月1日から2012年9月30日まで)および第二四半期(2012年10月1日から2012年12月31日まで)から、まずはメルボルンとブリスベンの事業を対象に開始されます。
監査手順
監査対象となる事業主に、まずは電話連絡がされ、その後、監査開始の2週間前には確認の手紙が送付されます。
監査自体は、事業が営まれる場所にて実施されます。期間は、1週間から2週間かかります。
ATOによると、まずは経費関連の監査が行われ、その後、特に関心を引くような項目について調査をしていくということです。
小規模事業の基準指標
最近の国税当局長官 の演説によりますと、事業の基準指標が示された業界のうち、およそ90%の事業は、その基準指標内に位置づけられているということです。
一方で、76,000の事業は、それらの基準をはるかに下回ると報告されています。
更に、2010/11年度に、ATOは30,000事業にそれぞれの業界の基準指標についての手紙を送り、その結果、うち17%の事業は、基準指標に近い額の収入を報告するようになったということです。
基準指標に基づいたATOの指導により、5,000以上の事業は、リスクが低くなり、監査の対象になる確率が低くなったということであると、ATOは述べています。
左官業およびカフェ業界が、ATOの2012/13年度のコンプライアンスプログラムの対象として選ばれました。このコンプライアンスプログラムは、先に述べた、業界指標に関する指導の成功に答え、世間からの要望や過去の傾向にあわせたものであるということです。
FBTの新しい20%定率と落とし穴
注釈:社用車両を従業員に支給することにより発生する付加給付税(FBT)を計算するのに、最も簡単な方法は、法定計算法です。
今後数年にわたり、20%一律が適用されることにより、この方法は簡略化されます(これまでは、走行距離により適用する率が異なりました。走行距離が長ければ長いほど、納税額が少なくなります)。しかし、場合によっては、これまでの方法が適用される場合もあります。
雇用主が、車両を従業員のためにリースする場合には、従来のFBTの計算方法、(すなわち走行距離により計算率が異なる方法)が適用されないように、注意をしましょう。
例えば、これまでのリース契約を解約して、新しい契約をする場合、従来のFBTの計算方法があてはまることになります。新しい20%という率(または暫定期間に設置された率)は、次のFBT年度(毎年4月1日から翌年の3月31日まで)から適用されることになります。
その他にも、以下のような場合には、20%一律が適用されるのは、次のFBT年度になってからということになります(すぐには20%という率を適用することができないということ)。
・ 車を借り替える場合
・ 現在のリース契約に変更をする場合。リース期間を変更したり、車の残存価格を変更したりというのが、
その例です。
・ リースが開始した後に、車のアクセサリー(例えば窓のティンティング、DVDプレイヤー、荷物代 または
ブルバーなど)をリースした車に付け加えた結果、リースの支払額が増加した場合
こういった変更が起こり、それが同じ雇用主のもとで起こった場合には、20%一律(または暫定期間内に設定された率)は、翌年のFBT年度から適用されることとなります。
セル・マネージド・スーパー・ファンド(SMSF)に影響をおよぼす変更
政府は、2012/13年度より加わった、SMSFに対する新たな条件に対応するため、SIS(Superannuation Industry Supervisionの略:年金に関する法律)規制を訂正しました。
新規制には、以下の要綱が加えられました。
・ SMSFの信託者は、メンバー(受益人)のためにファンドの投資戦略の一環として、保険を考慮する必要がある
・ SMSFの現金とその他の資産は、信託者(または雇用主)が個人的に所有している資産とは、別に保管する必要がある
・ SMSF の資産は、決算報告書にて時価総額を記載する必要がある
ATO、従業員vs契約社員問題に取組む
国税当局は、新しく「従業員それとも契約社員?」という新しいホームページを開設しました。このホームページでは、雇用に関して混乱しやすい問題について説明しています。また、同ホームページには、雇っている人が、従業員なのか契約社員なのかを決定する際に、雇用主が誤った判断をしてしまう理由を述べています。
更に、新ホームページには、自分のもとで働く人々が、従業員なのか契約社員なのか、雇用主が判断するためのガイドが記載されています。 その中には、以下のような内容も含まれています。
・ 全ての事業主が知っておくべき基本事項
・ 雇用主が犯すよくある間違い
・ 業界特有の情報
・ 従業員であるのか契約社員であるのかを決定するガイド
http://www.ato.gov.au/content/00326451.htm
注釈:ATOのホームページをご欄になり、質問がある方は、当所までお問い合わせください。
トラストの受益人は、4年まで遡って、税申告書を訂正することができるのか?
本来、個人の確定申告の訂正期間は、2年であるところ、最近の事例で、裁量トラストの受益人である可能性のある納税者で、実際には、トラストから配分を受け取っていなかったのにも関わらず、4年前の確定申告訂正を、AAT(行政控訴裁判所)により認められました。
その結果、その納税者の確定申告は、4年前まで遡って、国税局により訂正されました。
注釈:例えトラストから分配をうけていなくても(または、トラストの受益人であるということを知らなくても)、この事例により、裁量トラストの受益人であれば誰にでも4年間訂正ルールがあてはまる可能性がでてきました。
本事例の再審議がされ、判定が覆されることを関係者は願っていますが、そうならない場合には、何らかの法律設定が必要になるでしょう。新しい情報が入り次第、お知らせします。
非営利団体-所得税に関するATOの新ガイド
ATOは、非営利団体の所得税に関する新ガイドを発表しました。新ガイドには、以下のような詳しい情報が記載されています。
・ どのような非営利団体が、所得税に関して自己査定ができるのか?
・ 非営利団体が、非課税団体であるか否かを判断するための判断方法の説明
・ 非営利団体としての恩恵と義務
これらの情報は、オンラインによるもので、資料の請求はできないということです。
更に、ATOは、非営利団体が、課税団体であるのか非営利団体であるのかを自己診断するワークシートも発行したということです。
※内容について、ご質問がある場合には、当所にお問い合わせください。
※本書の内容は、一般的です。個々の状況を判断・決定する場合には、必ず専門家にご相談ください。
ブリース洋子公認会計士事務所 では、『会社設立』のお手伝いもしております。
まずは気軽にお問い合わせください。
E-mail: yoko@ybabs.com.au
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