2019/2020年 連邦政府予算案

2019/2020年 連邦政府予算案 概要

連邦政府財務大臣のJosh Frydenbergは、2019年4月2日午後7時30分に、2019/20年の連邦政府予算案を発表しました。

 

2019/20は、$7.1Billion(71億豪ドル)の黒字、しかも12年ぶりの黒字予算が見込まれる中での発表ということで、増税無くしての各方面への投資が実現できることを、Frydenberg氏は、幾度となく強調しました。

 

以下に、主な予算案内容を解説します。

 

個人納税者所得税関連

減税案

低所得者と中所得者の税率が低くなります。2022年7月1日からは、現在の所得範囲が$18,201~$37,000までの納税者に適用される19%が、$45,000の所得まで適用されるようになります($45,001~$120,000までは32.5%)。また、2024年7月からは、$45,000から$200,000までの所得に対しての税率が32.5%から30%に減税されます。(現在は、$90,000から$180,000の所得に対しては37%の税率が適用されています。)

 

低所得、中所得者への控除

2019年度より、低所得者と中所得者については、最高$530の税控除が適用されています(LMITOと呼びます)。 しかし、今回の予算発表により、控除額を最高$1,080まで引き上げると発表しています。この他に、低所得者のみへの控除額$445(LITOと呼びます)は、これまで通り適用されます。(所得によっては、LMITOとLITOの両方が適用されますが、上限は$645です)

 

しかし、LMITOが適用されるのは、2022年度まで。LMIT、2022年7月1日より、LMITOとLITOはひとつになり、最高で$700の控除となります(前年度の予算案では$645でした)。

 

事業主所得税関連

小規模事業主のための固定資産一括償却が中規模事業主にも適用

これまで、小規模事業主の固定資産一括償却の限度額は、$25,000でしたが、これが$30,000まで引き上げとなり、中規模事業主も対象となります。

*小規模事業主とは、年間のグループ売上が100万ドル($10 Million)未満の事業主のことを指します。

詳細は、以下の通りです。

1)いずれも対象は小規模事業主で、使用を始めた、または使用が可能になった時期により、一括償却できる上限額が異なるので注意

  • 2018年7月1日から2019年1月28日まで → $20,000未満
  • 2019年1月29日から2019年4月2日午後7時半まで → $25,000未満
  • 2019年4月2日午後7時半以降、2020年6月30日まで → $30,000未満

 

2)尚、2019年4月2日午後7時半から2020年6月30日までの期間については、グループの年間売上が100万ドル($10 Million)以上500万ドル($50 Million)の中規模事業主にも$30,000一括償却は適用されるようになります。

 

Division 7A 変更を延期

会社が、給与や配当としてではなく、株主やその家族にお金を貸して、一定の期間に返済をしない場合、これを、Division 7Aの問題と言います。この法律への訂正が発表され、2019年7月1日から施行される予定でしたが、今回の予算案により、2020年7月1日まで延期されました。訂正内容は、返済期間の一本化(現在は7年間と25年間がありますが、一律で10年になる)などです。

 

Australian Business Number(ABN)を持つ場合の条件が強化

ABNを持つ納税者については、以下が義務付けられます。

  • 2021年7月1日より、税申告が必須(非課税額に達しなくても)
  • 2022年7月1日より、ABN登録内容に間違いがないか、毎年確認

 

Single Touch Payrollの役割が広まります

シングルタッチペイロール(STP)と呼ばれるオンラインでの給料報告のシステムが、2019年7月から全ての雇用主に義務付けられます。STPを通して、従業員への給与やスーパーの義務がオンタイムで報告されます。STPを他の政府当局でも活用していくようです。

 

スーパーアニュエーション

スーパー積み立ての年齢制限が引き上げ

2020年7月1日から、スーパーアニュエーションを積み立てる年齢制限が、65歳から66歳まで引き上げられます。現在、65歳から74歳である場合、30日の期間で、最低40時間は就労していないと、スーパーアニュエーションに積み立てができません。しかし、この年齢制限が、66歳から74歳となります。 ということは、65歳も66歳もスーパー積み立てに制限はなくなります。3年分をまとめて前もって積み立てる方法も、66歳までならばできるようになります。

 

配偶者のためのスーパー積み立て

現在は、70歳以上の配偶者のためにスーパーを積み立てることはできませんが、2020年1月から、74歳までの配偶者については、スーパーを積み立てることができるようになります。

 

その他 予算は、このように使われる

農林水産業者と観光業者への還付

2019年7月1日より、農林水産業者および観光業者が高級車を購入した際に支払うLuxury Car Tax(高級車への課税)を、最大で$10,000まで還付します。現状では、農林水産業者および観光業者が、対象となる四輪駆動車や前輪駆動車を購入し、そこに課せられるLuxury Car Taxについては、最大で$3,000の還付がされます。対象となる農林水産業者および観光業者、車両の種類については、以下のATOサイトを参照。

https://www.ato.gov.au/business/luxury-car-tax/adjustments,-credits-and-refunds/credits-and-refunds/?anchor=Refunds#Refunds

 

北部クィーンズランド州洪水被害への復旧救助

北部クィーンズランド州で洪水により、多くの農林水産業者、小規模事業および非営利団体が多大な被害を被りました。政府は、これらの納税者が、対象となる補助金を受け取った場合、これらの補助金を免税扱いとします。対象となる補助金は、以下となります。

  • Disaster Recovery Funding Arrangement 2018 Category C またはCategory D
  • On-Farm Restocking and Replanting Grants Program による補助金
  • On-Farm Infrastructure Grants Programによる補助金

 

クィーンズランド州雷雨被害者への免税

2018年10月に、Fassifern Valleyで発生した雷雨による被害を受けた農林水産業者への補助金を、免税として扱いとします。

 

牧場主への救助

厳しい環境におられる牧場主は、その家畜を売ることを余儀なくされることもあります。この売却から得られた収入は、所得として、牧場主への補助金であるFarm Household Allowanceを得るための所得テストの対象となってきました。しかし、今回の予算案によると、2018/2019年度から2年にかけて、家畜を売却することを余儀なくされた場合、そこから得られる所得は、この補助金への所得テストの対象から免除されることになります。

 

偽契約防止への投資

本来ならば従業員として雇用するべきのところを、給与への源泉徴収やスーパーの義務を逃れ、最低賃金をごまかす目的で、従業員にABNを取得させている雇用主を見つけ出すための組織が、フェアワーク内に設立されます。

 

脱税を阻止するATOの専門部署を更に強化

国際的、大規模な株式公開、非公開会社、トラスト、富裕層をターゲットとした、脱税対策専門委員会が、更に強化され、約$1Billion (10憶豪ドル)が注入されます。

 

未払いの税金やスーパー徴集への活動強化

政府は、未払いの税金やスーパーを徴集するために、$42.1Million(4,210万豪ドル)を注入し、徴集活動を強化します。