ブリース洋子 公認会計士事務所 アップデート 2012年12月号

オーストラリア国税局(ATO)自動車に関する情報照合プログラム

ATOは、2011/12年度および2012/13年度に売却、譲渡および、新たに登録された車両で、価格または市場価値が$10,000以上のものに関しては、全ての州や準州の車両登録団体から、情報を得るということです。

およそ280万人の個人の情報を、納税者の情報と照合し、ATOの監査の対象となっている納税者の情報として利用したり、納税義務を回避し、正確に税申告をしていない納税者を発見していくための情報源としていきます。

ATOは、現金収入を正しく報告していなかったり、すべての情報の記帳をせずに事業を行っていたり、収入を正しく申告していない納税者は、その金額を自発的に報告するように薦めています。

注釈: 上記の状況があてはまると思われる方は、当所までご連絡ください。

SMSF (セルフ・マネージド・スーパー・ファンド):不動産投資に注意!

ATOは、SMSFの信託者に対して、SMSFが不動産に投資をする際には、十分気をつけるようにと呼びかけています。

SMSFの中には、法律により課せられる義務を十分に理解しないで、不動産に投資をしたり、ある種の契約を利用して、利益を得ている場合もあることを、ATOは懸念しています。

ATOは、特に以下の契約について、懸念しています。

SMSFは、ユニット・トラストの中の持分を得ることにより、そのユニット・トラストに投資をし、ユニット・トラストが、不動産を取得します。しかし、この方法では、スーパーアニュエーションのルールに違反します。不動産を取得するためにローンを組む、関係者から不動産を購入するまたは関係者に賃貸するなどの状況が、スーパーアニュエーションにおいては違反行為となり、通常は禁止されています。

SMSFが、Limited Recourse Borrowing Agreement (LRBA) –責任財産限定特約付き融資契約 – により契約し、資産を得る場合で、SMSFが融資を受ける場合に守らなければならない条件に沿っていない契約

LRBAについての説明:SMSFは、Limited Recourse Borrowing Agreement (LRBA) という契約により、ひとつの資産または、同じ資産をまとめて購入するために融資を受けることができます。この資産は、SMSFとは別の信託(または管理者)により所有されます。 この資産から発生する利益は、すべて、SMSFのものとなります。この融資が債務不履行に陥った場合には、貸し手の権利は、LRBAにより取得された資産分のみとなり、SMSFが所有している他の資産には塁が及ばないようになっています。

ATOは、更に以下のように述べています。

- LRBAにより資産を得る信託の信託者は、実際に存在していなければなりません。そして、信託は、資産取得の契約時には、設立されていなければなりません。

- SMSFは、空き地を取得し、そこに家を建築するするために融資を受けることができません。

ATOによると、細かい詳細は重要であり、不動産が、SMSFにとって、正しい投資であり、契約内容は法律に法ったものでなければならないとしています。

「こういった契約は、誤って作られた場合には、ただ単にやり直すまたは訂正することができなくなる場合がある。 全ての契約を破棄するしか方法がなくなる場合もあり、その場合には資産を売却せざるを得ないこともある。その結果、SMSFは、スタンプデューティや税金を課せられることもあり、かなり高額な金銭的な痛手を受ける可能性もある」とATOは述べています。

スーパーアニュエーション法に従っていないSMSFは、更に税金上、法令遵守していないファンドということになります。 その結果、SMSFやユニット・トラストが、所有している不動産を売却する場合には、キャピタルゲインが発生し、SMSFまたはユニット・トラストの持分所有者たちは、償還された利益を、個人の税申告の中で申告する必要がでてきます。

更に、こういった契約が、故意に作られた場合には、ファンドの信託者は資格を剥奪され、民事法違反、または犯罪になる可能性があるとしています。

ソーラーパネル(太陽電池版)により作られた電力に対する支払い

昨今では、ますます多くの人々がソーラーパネルシステムを導入しています。 消費する電力よりもソーラーパネルにより作り出される電力の方が上回る場合があります。この場合には、家主は、あまった電力を電力会社に売ることができ、その電力は、電力会社の電力網に移されます。

この場合、問題になるのは、家主が電力を売ることにより得られる収入は、課税対象となるのか?ということです。

ATOは、通常は、ソーラーパネルから得られる電力を、電気会社に売り、電力網に移されることより得られた収入は、家庭用(商業的でない)であり個人的な要素のものであるため、課税対象とはならないと確認しました。 この決断は、電力を得るために取り付けられる設備の金額や、今現在の価格方式、そして得られた電力が家庭用のものであるといった要素を考慮した結果です。

電力を売ることにより得られる収入が課税対象でないかわりに、ソーラーパネルを取り付けるためにかかった費用も、経費として税申告の中で申告することはできません。

しかし、活動内容の特徴が変った場合(電力を得るために目的や、どのように電力が得られたか、利益を目的とした活動なのかなど)、そういった活動から得られる収入は、課税対象になるかもしれません。

信託(トラスト)再設立とキャピタルゲイン

トラストの証書を書き換えるには、トラストを設立しなおす必要はなく、また、証書を書き換えることにより

キャピタルゲインも発生しないと確認しました。

もしも信託者がトラスト証書に記載されている権利をもとにトラストの決まりごとを変えた場合(または法廷の許可を得て証書を変えた場合)、キャピタルゲインは発生しないということです。しかし、以下は例外です。

● 変更により、トラスト法上、現在あるトラストが抹消され、新しいトラストができる場合

● 変更により、トラストの資産が全く別の権利や義務を持つこととなり、それらの資産が他のトラストの所有物となってしまう場合

政府からの請求に対するGSTへの変更

注釈:政府が課す税金や請求に対するGSTの取り扱いが変わりましたのでご注意ください。これまで、大蔵省のリストにある全ての政府が課す税金や請求については、GSTはかからないとしてきました。

2011年度に、このシステムについて、税法が訂正されました。 しかし、2013年6月30日までは、大蔵省のリストにある政府の税金や請求については、GSTはかかりませんでした(準備期間として)。

ATOは、これらの税金や請求は、2013年7月1日からGSTがかかるようになることを、呼びかけています。

2013年7月1日より、政府が課す税金や請求については、GSTがかかるのかどうか、自己査定をしなければなくなります。

注着: 当所にて、本件についてのアドバイスはいたしますが、ATOは、政府関連の税金や手数料にGSTが含まれるかどうかを判断するための、早見表をホームページの中に取り入れるとのことです。

※内容について、ご質問がある場合には、当所にお問い合わせください。
※本書の内容は、一般的です。個々の状況を判断・決定する場合には、必ず専門家にご相談ください。

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