ブリース洋子 公認会計士事務所 アップデート 2012年10月号

オーストラリア国税局、タックス・ファイル・ナンバー(TFN)通知義務を強化

オーストラリア国税局(ATO)は、2011年度トラスト税申告書を検分し、トラストの受益人で配分を受け取ったが、TFNをATOに知らせていないケースを調査していくと、近頃発表しました。

注釈:ATOは、監査キャンペーンを強化し、受益人のTFNが通知されていない場合には、源泉徴収税を課税していくようです。

これまでの背景からして、一般に、受益人が、TFNを通知していない場合、Trustee (信託人)は、分配金から46.5%の源泉徴収をすることを義務付けられています。TFNが通知されていない場合には、罰金が課せられることもあります。

信託人は、トラストからの利益を受益人に分配する場合には、その前に、受益人のTFNをATOに通知することが重要となります。


コンプライアンス活動

ATOは、以下の点を基準に、監査の対象となる信託者を選びます。

・ 配分する利益の規模

・ 受益人が、受け取った配分を、収入として税申告したか?

監査対象となった信託者には、以下の内容の手紙が送付されます。

・ 手紙の内容説明

・ ATOが把握している事実説明

・ ATOが把握している事実に相違がないかを、信託者に確認依頼

・ 今後、過ちをどのように改善していくのかを説明し、結果、罰金/放免が課せられる可能性があることを説明


超過積立金:納税者が勝利したケース

注釈:以下のケースは、スーパーファンドに超過積み立てしたとされ、追加調整査定書を受け取った納税者が、自分の場合は、「特例」だったとして、考慮を要求した結果、その申し立てが認められたものです。


ケースについて

2010年度に、納税者の雇用主は、納税者のスーパーファンドに$71,551積み立てをしました。これは、上限額である$50,000を$21,551超過したことになります。

雇用主は、ふたつのファンドに対して積み立てをしました。それぞれの積立額は、AMPに$25,367、 Tasplanに$46,184です。

納税者は、2009年会計年度内に、AMPの4.5%のコミッションに不満を持っていたため、雇用主2009年7月1日より、AMPへの積み立てを止め、Tasplanへ全ての積み立てをするように依頼しました。

納税者に知らさることなく、雇用主は、2009年7月(2010年度)に、2009年度分として、$25,367をAMPに.積み立ててしまったのです。

その結果、納税者は、$21,551文、積立額を超えたとして、$6,788.70の納税が課せられてしまいました。.

納税者は、本件は特例であり、超過積立としての扱われるべきではなく、または、2009年度分として扱うべきであり、超過積立への課税は免除されるべきだと申し立てました。


行政裁判所(AAT)の判定

全ての積立は、2009年7月1日から、Tasplanに積み立てるはずであったため、2009年7月に、AMPに積み立てられたということを、納税者が知らなかったということは、十分に理解できると、AATは、述べています。

AATによると、これらの事実は、「特例」として扱うに値するケースだとしました。 AAT は、2009年7月にAMPに積み立てられた$25,367(本来ならば、2010年度分として扱うべき積立)を、2009年度分として扱うように指示しました。 結果、納税者に、税金が課せられることはなくなりました。


事業が「事業」となる条件とは?

注釈:近頃、事業を行っているのかどうかという点が争点になりました。 数々のAATのケースの中で、特に注目を引くケースがありました。

そのケースの中で、納税者は、自身が第一次産業(農業、林業、漁業など)を行っていることを証明することができませんでした。


ケースについて

納税者は、クィーンズランド州に500エーカーの土地を所有していました。 納税者は、2004年から2009年にかけて、第一次産業を経営しているとして、土地開発費お

よび、その他の経費をタックスリターンの中で申告していました。

納税者は、この間、争点となっている、14種類もの第一次産業とした活動を行っていました。それらは、豚の放し飼い、木材栽培、牛の飼育と、欄栽培などです。

不運なことに、これらの活動からは、納税者は、全く収入を得ていませんでした。 また、事業を開始する計画の段階でしかありませんでした。.

このケースにおいては、納税者が事業に対して純粋に関心があったこと、そして、事業活動を行っていたと信じている点は、疑いの余地もありません。それは、あらゆる事業計画の作成や、さまざまな事業に対する研究により、裏付けられています。

このケースで、ATOが問題にしているのは、納税者の活動は、実際に「事業」としての段階に達していなかったこと、事業を行う準備段階に過ぎなかった点でした。


AAT の判定

AATは、ATOの結論である「納税者の活動は、実際に事業を行っていたとは言えないと」という点を確認しました。そして、納税者の事業に対する純粋な関心と事業活動をしたいという気持ちは理解できるものの、実際には事業活動の滞伏期間であったと結論付けました。


詐欺にご注意!

ATOは、納税者に対し、偽の求人広告、メールおよび偽の電話連絡などに注意をするよう、再び注意を呼びかけています。

今年度になって、ATOの名前を語った偽のメールについて6000件、電話連絡については、4000件の報告を受けています。

納税者のTFNを尋ねることができるのは、以下のような、限られた人々または機関となります。

・ ATO「オーストラリア国税局」;

・ ATOの従業員(ただし、ATOに勤務するようになってからのみ)

・  納税者の銀行または、その他の金融機関

・  センターリンク

・  納税者のスーパーアニュエーション基金

注釈:重要な点は、ATOからだと語るメールについては、リンクなどを開けないことです。電話や、ポータルなどで、まず確認しましょう。


二人以上の雇用主から給与を受け取る場合

ATOは、「ふたりの雇用主からお給料を受ける場合(When you have income from two payers)」という見出しの情報を更新しました。これにより、納税者は、二人以上の雇用主から給与を受ける場合、非課税額を両方から申請できるということを知らせています。

これは、2012年7月1日より、個人の非課税額が、$6,000 から $18,200 になることを受けての更新です。 しかしながら、 二人以上の雇用主から非課税額を申請できるのは、その納税者の所得が、$18,200を越えないということが確実である場合のみです。


GIC & SIC 新レート- 2010年12月四半期

2012年12月四半期のGIC (ATOの一般的な利率)と SIC (不足分に対する利率)が、以下に発表されました

GIC レート                                                   10.62%

GIC 日割りレート                                  0.02901639%

SIC レート                                                     6.62%

SIC 日割りレート                                  0.01808743%

また、納税者が過分に納税してしまった場合、早期に納税した場合、ATOからの還付が遅れた場合に適用されるレートは、3.62%.です。

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