ブリース洋子 公認会計士事務所 アップデート  2012年8月号

オーストラリア国税局(ATO) コンプライアンス(法令遵守)・プログラム2012/13

ATOは、「コンプライアンス・プログラム2012/13を発表しました。

今後、ATOが特に注目する分野について要点を述べています。ATOのコンプライアンス活動及び実行方法について、地域社会が理解する機会を与えられるのは、重要であると述べています。

今年度、税金およびスーパーアニュエーションに関するコンプライアンスにおいて、極めてリスクが高いとするのは、以下の分野だとATOは認定しています。

• IT関連のマネージャー職、配管工、軍兵士など、職業関連の経費が比較的多額の職種。

• 租税回避の可能性がある高所得者で、特に、市場に広く出回っている金融商品により、大きな節税が謡われているようなものによる租税回避、医師による投資などが注目されます。

• 左官やカフェ業界における記録のない現金取引

• 請負契約、特に建設業界およびセルフ・マネージド・スーパー・ファンド(自分で設立した年金基金)セクターにおける請負契約

• リスクの高い産業における年金積立についての雇用主の義務

今年度も、ATOは、第三者から提供された情報を分析することにより、誤った申告を阻止し、犯罪発見を優先するとしています。

ATOは、申告されていない配当や利息、キャピタルゲイン、および外国からの収入を判明するため、600万もの入出金を確認すると述べています。

昨年度、誤った、または不正の可能性が見られる税申告109,000件以上を確認することにより、「約200万ドルを節約することができた」とATOは報告しています。


税法の改定:
ATO の判断による還付金一時保留

最近の税法の改定により、ATOは、申告内容の確認が終了するまで、還付金を保留することが許されるようになりました。

これは、還付金一時保留を決定するにあたり、一定のテストが実施されるものの、「正しいことをする人々を支持し、不正活動を発見する機能を強化するため」の改定であるとATOは述べています。

本改定は、以下の場合に適用されます。

  • 消費税申告による還付
  • 自己申告による所得税に関する還付 (主に会社およびスーパーファンド)

しかし、個人の所得税には、この変更は適用されず、従来通りの方法によるものだとしています。

ATOが、還付金を保留する場合、その旨と、保留期間を納税者に伝えることが義務付けられています。


2012/13
年度分割予定納税計算に適用されるGDP(国民総生産) 調整

ATOは、2012年7月1日より、四半期毎に徴収する予定納税額計算に適用されるGDPの%を、6%に調整することを発表しました。(注釈:現時点の会計年度に見合った所得税額を、できるだけ正確に算出するため、経済情勢を反映する予定納税額にする必要があります。そのため、GDPの%を調整する必要があります。)

GDP%の調整は、前年度の情報を基に算出されるため、調整は、実際の経済状況を、必ずしも反映しているとは限らないと、ATOは理解しています。

経済成長に時間を要する時には、GDP %は比較的高いが、急成長をしている時には、GDP %は比較的低いとされています。

注釈:ATOが計算した予想納税額が、実際に予測される納税額より多すぎるまたは低すぎるとお考えの場合には、当所にご連絡ください。納税額を変えることが可能です。しかし、確定申告の際に算出される納税額が、実際に納税した予想納税額合計の85%を満たない場合には、不足分に利息が加算される場合がありますので、ご注意ください。


建設業界:請負業者への支払い報告義務

建設・建築業界は、2012/13年度より、請負業者に支払った金額の合計を、ATOに報告する義務が生じます。.

これまで、受け取った報酬を正しく申告していない請負業者が見られるため、その状況を改善するのが目的です。

以下の条件のうち、全てが当てはまるビジネスにのみ、この報告義務は適用されます。

  • 主に、建設・建築業であること
  • 建設・建築業務に対する報酬として、請負業者に支払っている
  • Australian business number (ABN)を持っている

個々の支払いについての報告義務はありませんが、それぞれの請負業者への支払い総額を報告する必要があります、

請負業者からの請求書に、労働費と材料費が含まれている場合、それが種類別に分かれていても、分かれていなくても、合計支払い額を報告すれば良いとしています。

2012/13年度の支払いに関しては、2013年7月21日までに報告する必要がります。消費税申告を四半期毎に申告するビジネスの場合には、締め切りは2013年7月28日まで認められるということです。

注釈:請負業者への支払い報告義務が、あてはまると思われる方は、当所にご連絡ください。


2012/13
年度車両減価償却上限

2012/13年度の車両減価償却の上限は、$57,466と発表されました ( 2011/12年度より変更なし).

2012年7月9日に、Aさんは、事業用に$65,000 の車両を購入しました。

2012/13年度の車両減価償却は、車両の購入額が、例え$65,000でも、上限の$57,466をもとに計算されます。.

注釈:高級車に対する特別税の非課税額は、2012/13年度に関しては、$59,133ですので、ご注意ください。


2012/13
年度超過勤務時間の食事手当額

裁定、命令書、裁決、産業契約または連邦・州・準州法により、超過勤務時間の食事手当てが支給される場合、2012/13年度の適額は、一食につき27.10とされます。

超過勤務時間の食事手当てが、適額を超過しない場合は、源泉徴収表に「手当て」として記載する必要はありません。また、支給された手当てが、全て、経費として認められるものに費やされた場合には、従業員は、税申告時に申告する必要はありません。

注釈:旅費などの、この他の「手当て」について、ご質問がある場合には、当所にご連絡ください。

※内容について、御質問がある場合には、当所にお問い合わせください。
※本書の内容は、一般的なものです。個々の状況を判断・決定する場合には、必ず専門家にご相談ください。

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