ブリース洋子 公認会計士事務所 アップデート 2013年1月&2月号

セルフ・マネージド・スーパー・ファンド(SMSF)信託者に対する新ルール

オーストラリア国税局(ATO)は、SMSFに対して、2012/2013年会計年度から、新規定が適用されることを、再度呼びかけています。

SMSF信託者に対しては、以下の点に注意を促しています。

● ファンドの決算報告書を作成する際に、ファンドの資産市場価格を査定する必要があること。

● 投資戦略の一環として、ファンドのメンバーの保険を考慮すること。

● ファンドの投資戦略内容を定期的に検討すること。.

これらの義務を惰った信託者に対しては、罰則が課せられる可能性があります。

規定に従わないSMSFに対して、ATOの権限が強化

信託者には、信託者個人(または信託者やその関係者の雇用主・スポンサー)の資産や現金を、SMSF所有のものと、常に区別しておくことが義務付けられています。

この規定は、「運営上の基準」となり、ATOは、その基準に従うように、権限を行使することができるようになりました。この基準に背くことにより、最大100罰則単位(下記注釈参照)が適用される可能性があります。

注釈: 罰則単位は、近頃、一罰則単位につき$110から$170に増加されました。ですから、100罰則単位とは、$17,000の罰金ということになります)!

新スーパーァニュエーション法律

政府は、より優れたスーパーへの改革を目指して、更なる法律導入について発議しています。

現在のスーパーァニュエーションの法律においては、条件を満たさずに、早期にファンドから積立金を引き出すことを推進した者に対して、特に罰則は設けられていません。

注釈:スーパーファンドのメンバーは、「退職した、または65歳に達した」などの条件を満たして初めて、ファンドから積立金を引き出すことができます。

メンバーに対して、「早期にスーパーを引き出すことができる」と、誤ったアドバイスをする人たちがいます。早期にスーパーを引き出すのは違法です。しかし(実際に積立金を引き出した)メンバーには、罰則が課せられるのに対して、アドバイスをした人たちには何の罰則も課せられません

現在は発議されている新法律により、早期積み立て引き出しを推進した人に対して、民法および刑事法が課せられることになります。これには、最高で $340,000 (2,000 罰則単位) および/または、5年の禁固刑が含まれます。

その他に発議されている改革は以下の通りです。

● 違法に引き出したスーパーに対して、45%の課税 が適用される

● SMSF信託人が誤った行為をし、法律に従わない場合、ATOに対して、効果的で、ケースバイケースに対応できるように権限を与える (例:個人的に罰金を課す、または一定の措置をとるなど)

● スーパーが不法な目的で利用されないように、SMSFへの振り替えを、反マネーロンダリング法および2006年度反テロ行為金融法に基づき取り締まる

ATO 情報照合プログラム

ATOは、これより、以下の情報を要求・収集すると発表しました。

銀行口座に関する情報照合プログラム

ATOは、およそ50,000人のオフショア銀行口座の詳細を収集するということです。 その目的は、オーストラリア居住者で、オフショア銀行口座を所有する納税者についての情報を確認することにあります。その結果、2008/09年度から2010/11年度にかけて、主要銀行(いわゆる、4大銀行)や、その他の14銀行(Bank of Queensland, Macquarie Bank, Citigroup, HSBC, Rabobank, Arab Bank Australia, Bank of China, Credit Suisse,  the Union Bank of Switzerlandなど)からの未申告の収入が判明する可能性があるとしています。

クレジット・デビットカードに関する情報照合プログラム

ATOは、2011年7月1日から2012年6月30日まで期間に関して、およそ900,000業者とのクレジットおよびデビットカードを利用しての売買について、4大銀行およびSt George Bank, Bendigo, Adelaide Bank, Bank of Queensland, BWA Merchant Services, American Express Australia , Diners Club Australiaから、情報を収集して行きます。

不動産に関する情報照合プログラム

ATOは、個人および法人で、不動産の取引があった、およそ104万のケースについて、さまざまな州の財務局、土地所有権登録機関、およびニュー・サウス・ウェールズ州公正取引庁(賃貸契約委員会)、ビクトリア州消費者課(居住用物件貸借人契約課)、クィーンズランド州居住用物件貸借人局などの機関から、情報を収集して行きます。

雇用終結に関する弁護士費用

注釈:不当に解雇され従業員が、(元)雇用主に対して訴訟を起し、その不当性が認められ、弁護士費用の返済を受けた場合、それを所得として申告する必要があるという内容の税規制が発表されました。

基本的には、雇用契約終了に関する論争の結果、受け取った金額が、弁護士費用の払い戻しだと明確に区別がつく場合には、ETP(雇用契約終了時の支払いで、普通の給与よりも低税率が適用される)とは認められません。(または、その一部としても認められません)。

しかし、払い戻しが一括でされ、どの部分が弁護士費用なのかが明確でない場合には、受け取った金額全額は、雇用終結による支払いとされ、ETP だと見なされます。.

また、(元)従業員が、かかった弁護士費用を経費として申告できる場合(例えば、雇用主の不当性を訴えるだけでなく、失われた収入に対しての経費としての弁護士費用)には、払い戻された弁護士費用は、課税対象となる弁償金ということになります(経費として申告した金額と相殺されることになります)。

尚、新税規制によると。(元)雇用主から(元)従業員に対して返済された弁護士費用は、Fringe Benefit Tax(付加給付税)の対象になりません。

※内容について、ご質問がある場合には、当所にお問い合わせください。
※本書の内容は、一般的です。個々の状況を判断・決定する場合には、必ず専門家にご相談ください。

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