ブリース洋子 公認会計士事務所 アップデート 2013年4月号

還付がある場合には、銀行口座の詳細が必要に!

オーストラリア国税局(ATO)によると、最も早くしかも安全に、確定申告(タックスリターン)による還付を受ける方法は、オーストラリアの銀行口座へのインターネットによる振込みだということです。

2013年7月1日より、個人のタックスリターンを申請する場合で、還付が予想される場合には、還付金の振込先が必要とされるようになります。必要な情報は、支店番号、口座番号および口座名です。

共同名義および信託口座への還付振込みも可能です。

セルフ・マネージド・スーパー・ファンド(SMSF)に関するATOからのアップデート

注釈:スーパーァニュエーション行政委員長であるAlison Lendon氏は、スーパーファンドや、信託人およびアドバイザーに影響およぼす数々の問題があると述べています。以下は、その引用です。

ATOにアドバイスを求める

SMSFの信託者が、そのファンドに対して、どのように法律が適用されるのか、ATOの見解を文書で必要とする場合には、「SMSF特別アドバイス」を申請することができます。

このアドバイスは、法的に拘束力はないものの、信託者にとって、法律がそのファンドに適用されるのかを確認するツールとなります。また、信託者が、そのアドバイスに基づいて行動できるという利点があります。.

注釈:当所では、上記のアドバイス申請のお手伝いをすることができます。

この特別アドバイスについて、特にATOが多く問われるのは、以下の話題です。

● 「商業用不動産」として、どうしたら認められるのか?また関係者から「商業用不動産」を得る際に気をつけなければならい点の確認

●  関連するユニットトラストへの投資について、どのような制限があるのか?

● Limited Recourse Borrowing Arrangement  (LRBA)*のもとで取得した不動産については、何が「改善」で、何が「修理」となるのか?

● 関係者からの資産取得およびLRBAによる低利息借り入れについて

● 収集品や個人使用の資産について知っておかなければならないこと。2011年からこれらの資産の保管や使用について、特別な条件が定められました。特に保険や金塊ついての条件は厳しくなりました。

*Limited Recourse Borrowing ArrangementLRBA

SMSF(の信託者が)が融資を必要とする場合、第三者から借り入れをしなければなりません。信託者は借入金により、ひとつの資産(または同一の市場価格で同一の資産をまとめたもの)を購入し、別の信託が管理します。その資産により得られる利益(投資による利益など)は、SMSFの信託者のものとなります。もしも債務の返済ができなくなった場合には、債権者の権利は別の信託により管理されている資産に限られます。

関係者間の取引

2013年7月1日より、関係者から取得する資産で、今現在取引を禁止されている資産の種類が増えることになります。しかし、取得が許可されるための例外についての事項は、より明確になります。

例えば、資格のある独立した立場の評価者により査定された市場価格で取引がされない限り、商業物件の取得は禁止されます。

また、規制に沿って取得されない限り、関係者からの上場株の取得は禁止されます。

同様の条件を満たしていない限り、SMSFの資産を関係者に譲渡することが禁止されます。


SMSF
管理税変更

近頃、政府の発表によると、SMSFに課せられる管理税の額に変更があります。

● 2012/13年度に$191である税を2013/14年度から$259に増加

●  納税を前倒しにすることにより、その年度内に納税が済むようにする。この方法は2013/14年度から2014/15年度にかけて調整されるようにしていく。

Heads of Agreement*が署名された日が契約日?

Heads of Agreement: 実際、正式の契約の締結に先だって、予備的な合意が調い、あるいは了解事項をまとめてある文書が交わされる場合、その表題としては、Heads of Agreement, Memorandum of Understanding (MOU)、Term Sheetといったものがありますが、法的効

力のある文書なのか、実際上契約としての効力を持つかは当事者の意図の問題だとされています。

注釈:行政審査不服審判所の判決によると、キャピタルゲイン税を計算する上で、資産を取得したとされる日は、本契約に署名された日ではなく、Heads of Agreementが署名された日だということになりました。これは驚くべき判決です。

本件の背景と事実

納税者は、メルボルンの事業を所有していましたが、2008年に売却することにしました。

納税者、事業パートナーおよび購入者は、2008年8月7日にHeads of Agreementを履行しました。その書き出しは以下のようになります。

「売り手は買い手に売却することを同意し、買い手は売り手から売却することに同意する。買い手は、以下の最初の目録に記載される事業を所有し・・」

Heads of Agreementに署名する際に$20,000が前金として支払われ、残金として$20,000が、本契約に署名する際に支払われることとなりました。

2008年12月8日に事業売却の契約書は、買い手の弁護士に渡され、2008年12月17日に契約は、買い手により履行されたようです。

契約履行の日付は、納税者にとって、重要な意味を持ちます。もしも2008年12月17日以前の日付で契約が履行された場合には、「純資産テスト上限」*の基準に達しないため、小規模事業主に与えられるキャピタルゲイン税に対するコンセッションが当てはまらなくなるからです。

(*) 今現在、対象となる資産の純資産額が$6M未満でないと、キャピタルゲイン税へのコンセッションがあてはまりません。

売り手は、実際の資産売却は2008年12月であったとして、小規模事業主に与えられるコンセッションを利用し、キャピタルゲイン税を$704,129から$0まで減らして申告しましたが、ATOはそれを認めませんでした。

行政審査不服審判所の判決

行政審査不服審判所では、売り手と買手にとって、Heads pf Agreementに法律的な拘束力があるのかと言うのが論点でした。

以下の点が述べられています。

「本件については、Heads of Agreementの書類によると、事業売却・購入すると点について、売り手も買手も同

意したという点について、疑いの余地はない」

「この時点では、Heads of Agreementにより、売り手と買手が売却・購入の意思があることが明記されている」

「Heads of Agreementには、法律的に拘束力があると思われる。更に、Heads of Agreementが署名されたことにより、更に契約が進み、最終的にひは事業を売却・購入するに至ったわけで、言い換えれば、事業売却は、2008年8月7日に行われたと思われる」

2012/13年度1KMにつき申告できるガソリン代

2012/13年度に走行距離1KMにつき経費として申告できる金額が決定しました。2011/12年度と同様の金額です。

車の種類 エンジン容量
ロータリーエンジンでない場合
エンジン容量ロータリーエンジン 1KMにつき(セント)
小型車 0 – 1,600 0 – 800 63
中型者 1,601 – 2,600 801 – 1,300 74
大型車 2,601+ 1,301+ 75

2013/14年度新税率

注釈:ATOは、スーパーァニュエーションやその関連の支払額に対する2013/14年度の税率を発表しました。

生命保険金や死亡保険金、または雇用契約停止のために受け取る額(ETP)の限度額までの分(2012/13については、$175,000まで、2013/14年度については$180,000まで)については、低率の税額が適用されます。ETPについては、上記の限度額を超えた金額については、最高税率が適用されます。

※内容について、ご質問がある場合には、当所にお問い合わせください。
※本書の内容は、一般的です。個々の状況を判断・決定する場合には、必ず専門家にご相談ください。

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