オーストラリア2014/15 予算案

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個人納税者

1.  オーストラリアの負債救出税!?として富裕層への2%増税策

個人の所得が$180,000を超える場合には、超えた分に対して、2%の課税が2014年7月1日から適用されるという案です。これは、永久的に続くわけではなく、3年間という限定期間、適用されます。また、給与以外のベネフィットを従業員が受ける場合に、雇用主が支払うFringe Benefit Tax (FBT)の税率も、現在の47%から49%に上昇します(2015年4月1日から2017年3月31日までと期間限定付き)。これは、給与としての所得が$180,000以上にならないように、他のベネフィットが従業員に提供されるのを防ぐための策と言えます。

2.  医療税

医療税の非課税所得は、これまで家族で$33,693でしたが、2014年度の税申告の際には$34,367に上昇します。個人の非課税所得は、これまで通りの$20,542です。非課税所得が、少しでも上がるのは良いのですが、どちらにしても、医療税は、これまでの1.5%から2%に引き上げられることをお忘れなく(医療税が2%に引き上げられるのは、今回の予算が審議を通過してもしなくても実施されます)。

3.  廃止となる税金控除

廃止するとされているのは、以下のふたつの税金控除です。

Mature Age Worker Tax Offset(MAWTO)-熟年就労者に対する税金控除

 

今現在、MAWTOが適用されるのは、1957年7月1日以前に生まれた、オーストラリアの居住者で、就労による所得が年間で$63,000未満の納税者です。これが、2014年7月1日より廃止されます。

 

もともと、MAWTOは、熟年者の就労を激励する意味で開始された税金控除なのですが、これが廃止されます。しかし、代わりにRestart  Programmeという援助体制を開始するとのことです。最高で$10,000の補助金が、雇用主に支払われます。その条件は、最低でも6か月間は無職で、仕事を探し続けていた50歳以上の従業員をフルタイムで雇用した場合です。 補助金が実際に支払われるのは、該当する従業員が、6か月以上雇用されていることが確認されてからだということです。しかも、$10,000が一度に支払われるわけではなく、雇用が6か月続いた時点で$3,000、12か月続いた時点で$3,000、18か月続いた時点で$2,000、そして最後の$2,000は、24か月続いた時点で支払われます。

 

扶養家族・配偶者控除

 

これは、低所得の扶養家族や配偶者がいる場合に適用される控除なのですが、2013年度から、その適用範囲は、遠隔地に居住している場合、海外に国の軍事のために海外に駐在している納税者のみと制限が加わりました。しかし、2014年からは、扶養者・配偶者控除は、完全に廃止されます。遠隔地に居住している、または国の軍事のために海外に駐在している納税者については、扶養家族の介護が必要であることが証明されれば、扶養家族介護控除(本文の扶養家族・配偶者控除とは別のタイプの控除)を受けることはできます。

 

4.医者に行くたびに$7の追加料金

2015年7月1日より、医者に行くたびに$7を追加で支払わなければなくなります。コンセッションカード所持者や、16歳未満の子どもについては、一年に10回までということならば、この$7はかかりません。$7のうち$5は、Medical Research Future Fundに積み立てられ、今後の医療リサーチに費やされるということです。

2015年7月1日より、Medical Benefits Schedule(MBS)からGPに対して支払われる患者一人に対するリベートが、$5減少します。このため、GPでの診察料金が、$5値上がりすることとなります。

5.Family Tax Benefit B (FTB B)

一家の大黒柱の所得が$150,000の場合には、FTB Bは受給されませんでしたが、2015年7月1日より、この上限が$100,000となります。ところが、対象となる家族の数も減るようです。というのは、2015年7月1日から、家族の最年少の子どもの年が6歳未満でないと、FTB Bは適用されなくなるからです。(移行期間ということで、2015年6月30日時点で、最年少の子どもが6歳以上だとしても、2年間は、FTB Bは適用されるとしています)

しかし、片親が、FTB Aの最高額を受給している場合には、最年少の子どもが6歳になった時点で、FTB Bは打ち切られますが、新しい補助金として、6歳から12歳の子ども一人に対して、$750を受けることができるようになります。

6.Family Tax Benefit A (FTB A)

これまで、子どもがひとり増えるたびに、所得の上限額(一定の所得になると、FTB Aを受けることができなくなるか減少する限度学)が増えていきましたが、これが2015年7月1日より廃止されます。

7.First Home Saver Accounts Scheme (FHSA)

最初の持家を購入する目的で銀行口座(FHSA)を開き、貯金をする場合には、政府からの補助金を受け取ることができていましが、これが、2014年5月13日以降に開設した口座については、適用れなくなります。また、これまでのFHSAについても、2014年7月1日から、政府からの補助金を受けることができなくなります。

8.年金を受け取ることができる年齢

2025年7月1日から、年金を受け取ることができる年齢は、2年毎に6か月づつ上がります。2035年7月1日までには、70歳にならないと年金を受け取ることができなくなります。

有資格者が受け取ることができる年金は、これまで平均賃金の上昇率により計算されていましたが、2014年7月1日より、物価指数上昇率のみにより計算せれるようになります。

 

一定の所得により、老齢健康カードが支給されるかどうかが決定しますが、この一定の所得が、物価指数により計算されることになります。しかし、老齢健康カードを受け取るのが困難になると予想されます。それは、これまでは決め手となる所得に含まれていなかった非課税のスーパーからの年金も所得に加算されるようになるからです。

9.職を探している人

2015年1月1日から、Newstart  AllowanceとYouth Allowanceを、30歳未満の人が受け取るにあたり、受け取る前6か月間は、実際に職を探し、雇用サービスを受けていたことを証明する必要が生じます。6か月たった時点で、週25時間、失業手当を受けるための「仕事(ボランティア、非営利団体への奉仕など)」に従事します。その後、雇用サービスを沙良にか月間受けることができるようになります。

2015年7月1日より、Newstart AllowanceやYouth Allowanceを受けとる30歳未満の人にも、上記と同じことが要求されるようになります。

10. 大学の学費

これまで政府は、学生が大学に支払う金額の上限を設定していましたが、この上限が2016年1月1日からなくなります。どの大学も学費を自由に決めることができるようになります。このため、学費の上昇が予想されます。

政府の学費ローン(HELP)は継続されますが、政府の負債にかかる経費に反映して、利息が加算されるようになります。今現在、物価指数にあわせて、学費ローンは、調整されていますが、今後は、政府発行の債券率に反映することとなります(債権率は、これまでの歴史を見ても、物価指数よりはるかに高率)。

また、学費ローンは、卒業後に一定の所得に達しない場合には、返済義務が発生しませんでしたが、その一定の所得が、2017年から減少します。これまでの一定額より10%ほど低くなるのではないかと予想されます($50,638になるという予想)。

11. スーパーアニュエーション

 

雇用主が積み立てる法定最低積立額は、現在の(税込給与に対して)9.25%から、2014年7月1日より9.5%に引き上げられます。最終的には12%に引き上げる計画です。以下の表をご参照ください。

年度 法定最低積立率
2013年7月1日から2014年6月30日まで 9.25%
2014年7月1日から2018年6月30日まで 9.5%
2018年7月1日から2019年6月30日まで 10%
2019年7月1日から2020年6月30日まで 10.5%
2020年7月1日から2021年6月30日まで 11%
2021年7月1日から2022年6月30日まで 11.5%
2022年7月1日以降 12%

 

スーパーアニュエーションの積立額には二通りあって、ひとつは、税引き前、もうひとつは税引き後となります。前者は、納税者の所得に対して経費となる積立の方法(ですので、納税者の所得はその分低くなり、高額所得者にとっては節税となります)、後者は、納税者の税申告には関係なく、手元にあるお金を積み立てる方法です。 税引き後の積立については、一年に一定額($150,000、3年分をまとめて積み立てる場合には、$450,000)と決まっています。これを越えて積み立てると、越えた額に対して46.5%の税金が課せられます。

税引き後の積立の場合に限って、2013年7月1日以降に上限を超えた額を積み立ててしまった場合には、税金を支払わずに引き出しても良いということになります。しかし、上限を超えた額を引き出さずに、そのままファンドに入れておくと、46.5%の税金がかかってしまいます。

 

2014/15年予算案

企業への影響

 

  1. 1.  法人税減少

2015年7月1日より、中小企業については、法人税が現在の30%から28.5%に減少します。

 

  1. 2.  フリンジ・ベネフィット税(FBT)率上昇

2015年4月1日から2017年3月31日までの限定期間ですが、FBTの率が47%から49%に上昇します(個人納税者に対する予算案の1もご参照ください)

 

  1. 3.  燃料物価指数など

ガソリンにかかる税金が物価指数に反映して、年に2回上昇することとなります。これにより、政府は4年間で$22億ドルの収益が見込んでいます。

 

2015年7月1日から、Cleaner Fuel Grant Scheme (環境にやさしい燃料を使用する場合に得られる政府補助金)や、バイオディーゼル使用者が得られる政府補助金が、2015年7月1日から廃止されます。

 

Product Stewardship for Oil (PSO)は、一度使用した燃料の再利用することを促進する政府のプログラムです。再利用できる燃料を利用した場合、政府からのベネフィットを受けることができるのですが(登録が必要)、そのベネフィットにかかる税率が2014年7月1日から8.5%になります。しかし、その分、ベネフィットも上がるということです。

 

  1. 4.  R &D (リサーチ&ディベロープメント)税金へのインセンティブ

事業でR & Dを行った場合、税金上のインセンティブを受けることができます。インセンティブの種類には2種類あり、ひとつはR &Dの経費の150%に対して45%で、これは実際に還付となります。もうひつとは、経費の133%に対して40%で、これは支払わなくてはならない税金から控除されるだけで、実際には還付されません。これらが、2014年7月1日から、1.5%減少します。従って、45%のインセンティブは43.5%に、40%のインセンティブは38.5%となります。

 

  1. 5.  その他の税金

連邦政府は、鉱物資源利用税(Mineral Resource Rent Tax = MRRT)、および炭素税廃止をすると再度述べています。

 

小規模事業に許される$6500未満の資産の一括償却を、2014年1月1日より、$1000まで下げるということでしたが、これは正式に法案となってはいません。